メガバンクはオワコンなのか?三井住友が三菱UFJ超え?メガバンク徹底解説・比較。(2023年2月最新)

銀行

メガバンクはオワコン??

いつの時代も勤務先に大人気のメガバンク。近年はやや人気に陰りが見えてきましたが、それでも引き続き高学歴エリートが多い人気企業です。でも、入社3年間の給与は驚くほど低かったり、仕事内容も結構ハードです。
(僕はメガバンクへの就職には肯定派です。理由は最後の方にまとめますね。)

まずはメガバンクの事業内容・業績比較から見てみましょう!(メガバンク入りたい人は面接対策にもなりますよ!)

メガバンク業績の比較

まずは銀行の業績比較です。つまり、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の比較です。本業の収益、利益を示す業務粗利益、業務純益では三井住友がともにトップですね。

利益率ではみずほが一番です。意外ですね。三菱UFJがトップの感覚ですよね。

2021年度決算資料より引用

続いて、親会社FGの比較です。これは、銀行だけでなく傘下の証券会社、信託銀行、海外子会社等、グループとしての比較になります。
グループとしては、三菱UFJの粗利益が圧倒的ですね。一方で、三井住友も利益率では三菱UFJを超えてトップ水準です。

2021年度決算資料より引用

巷では、「三菱UFJが国内トップ、みずほは3番手」みたいなイメージがありますが、銀行とグループとしての立ち位置を明確にして理解をしましょう。

一方で、ここまでの会社規模になると、実際働く分には会社業績を比較することはあまり意味がなくなります。
業績より、実際働く際の業務内容・待遇の良さ・会社の雰囲気、そのような要素が働く上では重要になります。

同じメガバンクでも海外進出やフィンテック系のサービス等、注力している分野やレベル感はけっこう異なっています。10年前であれば、銀行の差別化は難しかったので、「志望のきっかけは人で決めました!」的な就活生で溢れていましたが、今はしっかりと事業内容を把握することで、面接の対策にもなりますね。

三菱UFJの特徴

三菱UFJFGは国内NO.1の金融グループです。時価総額でも金融業界の中では断トツのトップであり、グローバルに事業を展開しています。上述のとおり、銀行単体では他メガバンクに収益面で劣っているところもありますが、グループとしてはトップです。

メガバンクの中でも圧倒的な海外事業!

三菱UFJの最たる特徴と言えば、海外事業がとにかく強いということです。経常収益の約半分は海外が占めており、他メガと比べても圧倒的です。
米国の世界的金融グループモルガンスタンレーとも提携しています。

MUFG Databook for 2021より引用

ASEANの商業銀行プラットフォームでは、タイのアユタヤ銀行(国内順位5位)、インドネシアのバンクダナモン(国内5位)等を子会社として抱えています。
よって、タイやインドネシアなどのアジア圏への駐在員は多いです。タイに駐在はちょっと羨ましいですね。

米国事業も収益への貢献は大きいですが、2021年に個人向け事業を担うMUFGユニオンバンク8,800億円で売却しました。理由は実店舗の運営コストが嵩んでおり、利益率の改善の一環とのことです。

MUFG Databook for 2021より引用

ちなみに三菱UFJの預金残高は世界第7位(21年末時点)であり、日本だけでなく世界トップクラスの銀行です。

三菱御三家って知ってる?

国内最大最強の財閥グループの『三菱』の中でも、三菱UFJ銀行、三菱商事、三菱重工は三菱御三家と呼ばれ、三菱財閥の中核企業です。

働く従業員には一見関係ないのでは?とも思われますが、今でも役員クラスは定期的に三菱財閥の『金曜会』という集まりで懇親や情報交換を行なっています。また、社員の人材交流も盛んであり、お互いの企業に出向し合ったりしています。

三菱グループの経済圏はかなり大きく、法人関係の事業においては、サービス内容より財閥や繋がりのようなものな重視されることは今でも多いです。どうせ買うんだったら仲良い奴から買おう!的な発想ですね。

主な財閥企業

三井や住友も財閥があることから、みずほはメガバンクではこの点ではやや劣勢かもしれませんね。

auカブコム証券も傘下

他2メガもそうですが、現在メガバンクはネット銀行や証券などの分野への参入にも注力しています。どちらかと言うと、SBIや楽天の急速に伸びる新興勢力を追いかける構図です。

三菱UFJはまずネット証券事業に参入するために、auカブコム証券を買収しました。収益へのインパクトはまだ大きくないですが、顧客獲得や新規マーケットの進出を目的としています。

また、デジタル分野では大和証券や東京海上とも提携して銀行・証券・保険のすべての金融サービスを提供できる「マネーキャンバス」という総合金融アプリを今後提供予定です。

三井住友の特徴

三井住友銀行は近年国内事業が好調であり、銀行比較ではトップライン、ボトムラインともにメガバンクトップです。また、従業員一人当たりの稼ぐ力が高いということもよく言われていますね。

SBI証券に出資!一大リテール戦略。

元々三井住友はリテール(いわゆる個人向け事業)にも強く、営業マンのレベルも高いと言われています。しかし、近年のネット証券の台頭により、個人向け証券営業は課題でした。

そんな中、2022年6月にSBI HDへ796億円を出資し、約10%の大株主となることを発表しました。これによりシームレスで三井住友銀行のサービスからSBI証券での株取引等が実現します。

三井住友FG ニュースリリースより引用

個人向けサービスは少額取引であり、儲からないというのが通説ですが、デジタル化により個人のデータを蓄積することで新たな投資・サービスへ誘導する狙いがあるとのことです。

ネット銀行・証券が当たり前になる中で、収益が薄くとも今参入しなければ取返しのつかないゲームチェンジが想定されます。三井住友は今のうちに布石を打ったのでしょう。

インドネシアに超強い?

三井住友も海外事業に注力しており、業務純益の約30%は海外事業が占めます。三菱UFJほどではないですが、収益の3割が海外は凄いことですよね。

また、三井住友はアジア中心とした海外戦略を描いており、アジアに第2,第3の『三井住友銀行』レベルの金融機関をつくろうとしています。

アジアの中でも特質すべきはインドネシアの『BTPN』でしょう。2019年に出資先のBTPN社とインドネシア三井住友銀行が合併し、新生BTPNとして誕生しました。総資産規模は既にインドネシア内で8位(2021年3月末時点)と準大手銀行水準です。

三井住友FG HPより引用

インドネシアではスマートフォンによるデジタルバンキングアプリをリリースし、これが大ヒットでユーザーは既に300万人近くいます。とにかくシンプルさ、スマートさにこだわり、”銀行らしくない” フィンテックを実現しました。

三井住友FG HPより引用

米国でネット銀行に参入!!

三菱UFJが米国のリテール事業から撤退を発表した一方、三井住友は逆に2023年の新規参入を発表しました。三菱UFJは店舗運営コストが嵩み収益性から撤退を余技なくされましたが、三井住友は店舗は設けずネット銀行で参入します。コストがかからない点と前述のインドネシアでの成功経験から勝算があるのでしょう。

スマートフォンやパソコンを通じ、まず個人に対して無担保ローンや預金などのサービスを提供していくとのことです。

三井住友FGの海外・デジタル事業の歩み

みずほの特徴

みずほ近年複数回のシステム障害により、ITに弱いイメージもあるかもしれませんが、これには過去の銀行合併による弊害は大きく起因します。意外かもしれませんが、みずほはソフトバンクと提携していることから、PayPayやLINEとも密接な関係であり、デジタル分野では他メガバンクにも引けを取らない、むしろ先進的?な一面もあります。

みずほは旧3行の権力争いでドロドロ?

みずほは、第一勧銀、富士銀、興銀という3つの国内トップバンクが統合して発足しました。他メガ2行も合併をした経緯がありますが、みずほ場合はやや特殊な事情がありました。

3行ともが同レベルで優劣付け難いトップ銀行であったことから、役員数、管理職も3等分する等、行内のライバル意識や社内政治が強烈なのです。

三菱UFJ銀行は三菱、三井住友銀行では住友の力が強く、良い意味では行内の無駄な意思決定の遅延や足の引っ張り合いがみずほよりも薄いです。

みずほ銀行合併前の旧3行とシステム会社

システム面でも上述のとおり、旧3行のシステムが残っていたため、統制が難しくシステム障害も多発且つ、対応が非常に難しいという状況です。

旧行意識のある行員は年々退職しており、『みずほ銀行』発足後の行員も増えていますが、まだ部長級の多くは旧行出身者です。完全に風通しがよくなるにはあと数年~10年程度はかかるかもしれませんね。。

PayPay、LINEも手の内に?みずほのデジタル戦略

今日、PayPayでもアプリ内で投資ができるようになりました。運営会社はPay Pay証券ですが、この会社はソフトバンクとみずほ証券による共同経営です。表に名前が出てこないので、認知度はあまり高くないかもしれませんが、意外ですよね。

みずほはソフトバンクと提携していることから、みずほはソフトバンク傘下の企業とも関係性があります。2022年度中にはLINE Financialとみずほ銀行は共同出資により『LINE Bank』のスマホ銀行を設立します。

LINEはユーザーが8,600万人超なので、多くの顧客の口座開設が期待できます。将来的にはLINE Bankから直接投資信託の購入や保険加入等がシームレスにできるようになるのでしょう。

また、2022年みずほFG傘下の証券会社で楽天証券に2割出資することが発表されました。20代の投資家の約8割はネット証券からの投資であり、時代の流れですね。これでメガバンクとネット証券は下記のような構図となりました。

  • 三菱UFJ ー auカブコム証券
  • 三井住友 ー SBI証券
  • みずほ ー 楽天証券、(Pay Pay証券)

他にも、Googleと提携してクラウドシステムの構築や、『J.Score』というAIスコアレンディング等、みずほはけっこうIT頑張っています。

みずほFG HPより引用

メガバンク入社は個人的にはおすすめです。

とにかく成長が半端ない。転職もしやすい。

若いうちに金融業界で働くことはとても成長できます。僕自身金融業界に勤務していましたが、朝は5時に起床、日経新聞読み込み、会社ではまずマーケットのチェック等、経済知識・金融リテラシーが身に付きます。(大変でしたが。。)

メガバンクの場合は支店配属となっても近年はしっかりと日経新聞の読み合わせやマーケットの見方等を教えてくれる環境が多いです。(たまにハズレ支店もありますが。。)

また、マーケットを見ていると時事ネタはもちろんのこと、論理的な思考能力やデータを読み取る力も身に付きます。

正直、コンサル業界よりも汎用性の高いスキルが身に付くきます。ITリテラシーを高めたい人はコンサルがオススメですが、とりあえず手に職つけたい!ITにこだわらない!って人はメガバンクはおすすめです。転職市場の評価も高いですし、財務や色んな企業の経営にも触れられることから起業する人も多いです。

唯一難点は、入社数年間の年収が低めなことです。年収・待遇については次回かなり実情に沿った記事も書く予定なので、よかったらぜひフォローしてください!

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