■はじめに:2026年版・コンサル業界地図とは?
コンサルティング業界は、戦略・業務・IT・人事・M&A・FAS・シンクタンクなど、
領域が細分化され、企業ごとに強みも大きく異なります。
また、直近新興ファームも多数設立されており、業界における立ち位置が複雑化しております。
本記事では、「2026年コンサル業界地図」 をもとに、各領域の位置づけや、企業分類の意味、マップの読み解き方を
わかりやすく体系的に解説します。
これからコンサルを目指す人、転職を検討している人、企業側で発注を検討している人にも
「地図を見るだけで業界理解が進むまとめ記事」になっています。
■マップの全体構造:円形で“領域のつながり”を可視化

このマップは、円形チャートにより コンサル各社を“専門領域ごと”に可視化しています。
円は大きく8つの領域に分かれています:
- 戦略(Strategy)
- 組織・人事(HR / People)
- 制度設計・戦略人事(HR Strategy)
- 業務改革(Business / Operation)
- IT・テクノロジー(Digital / IT)
- シンクタンク(Think Tank)
- FAS・再生(Financial Advisory / Turnaround)
- M&Aアドバイザリー(M&A)
コンサルティング企業は複数領域をまたぐことが多く、
矢印や配置位置を見ることで、専門性の近さやプレイ領域の違いが直感的に分かるようになっています。
例えばBIG4のデロイトコンサルティング社であれば、会社としてシンクタンク以外は網羅しているとの見方です。
アクセンチュア社はFAS領域以外カバーとの見方です。
※厳密には一部カバーしているプロジェクトもあるので、あくまでメインのカバー領域としてご参考ください。
■各カテゴリの特徴と代表企業
🔵 1. 戦略領域(Strategy)
◆ 代表企業
- McKinsey
- BCG
- Bain
- A.T. Kearney
- Roland Berger
- Arthur D. Little
- DI(ドリームインキュベータ)
◆ 特徴
- 戦略コンサルの“最上流領域”
- 企業の経営課題、成長戦略、新規事業、全社変革など
- 少数精鋭で、難易度・採用基準・給与水準も最上位
◆ 業界での立ち位置
「経営者の右腕」を担う位置。
IT・業務など他領域よりも抽象度が高く、“頭脳集団”の色が最も強い。
🟡 2. 組織・人事 / 人材開発(HR / People)
◆ 代表企業
- Mercer
- Aon
- WTW
- Korn Ferry
- GLOBIS
- Coach A
◆ 特徴
- 人事制度、人材開発、組織開発に特化
- タレントマネジメント、評価制度、研修まで幅広い
- HRのプロフェッショナルが集まる専門領域
🟢 3. 業務領域(Operation / Business Consulting)
◆ 代表企業
- アビームコンサルティング
- IBM
- intloop
- Capgemini
- ライズコンサルティング
- Layers Consulting
- Skylight
- Cambridge Technology Partners
◆ 特徴
- 業務プロセス改善、BPR、サプライチェーン改革など
- 実務に近く、企業の現場課題に深く入り込む
- IT領域と密接に関わるケースが多い
🔵 4. IT・デジタル領域(Digital / IT)
◆ 代表企業
- ノースサンド
- Dirbato
- MSOL
- TIS
- Rise Consulting
- Simplex
- intloop
- Ridgelinez
- 未来技術推進協会(FUTURE ARCHITECT)
- GLOBE-ING
◆ 特徴
- システム導入、PMO、DX推進、IT基盤整備
- 日本企業のDX需要を背景に急成長している領域
- 大手〜新興ベンチャーまで幅広い
🔵 5. 総合コンサル(総合系)
◆ 代表企業
- Deloitte
- PwC
- EY
- KPMG
- Accenture
◆ 特徴
- 戦略〜業務〜IT〜M&Aまで幅広く扱う
- 日本で最も案件数・社員数が多い領域
- 各分野のスペシャリストが所属する巨大組織
- アクセンチュアはFAS領域はBIG4ほどカバーしていない
🟣 6. Xspear / クオンツコンサルティング(戦略 × デジタル系ブティック)
◆ 特徴
- 少数精鋭のハイエンドDXファーム
- デロイト戦略・Big4・外資金融出身者が多く、社員レベル・案件の平均値が高い
- 企業変革や経営課題のコア部分に入り込む戦略案件も豊富
Xspear や クオンツコンサルティングは、総合系より人数は少ないが
**「高付加価値案件 × 高レベル人材」**で存在感を急速に高めている。
また、クオンツコンサルティング社は新興系では珍しくFAS領域にも強み。
🟠 7. FAS・事業再生(Financial Advisory)
◆ 代表企業
- アリックスパートナーズ
- IGPI
- フロンティア・マネジメント
- 山田コンサルティング
- RECOF
- Houlihan Lokey
◆ 特徴
- 企業再生、財務リストラクチャリング、経営支援
- 経営者と深く関わる実行支援型の案件が多い
- 報酬水準が高く、プレッシャーも大きい領域
🔵 8. シンクタンク(Think Tank)
◆ 代表企業
- NRI(野村総合研究所)
- MRI(三菱総合研究所)
- DI Research(DIの研究部門)
- MUFG系コンサル
- 日本総研(JRI)
◆ 特徴
- 政策・産業調査や大規模システム構築支援
- 官公庁案件が多い
- 安定感があり、ワークライフバランスは比較的良い
■矢印と位置の意味:企業の“領域シフト”が見える
この地図の面白い特徴は、
単に「分類する」だけではなく 矢印の方向性に意味がある点。
- 戦略 → 業務 → IT へ向かうのは、
コンサル業界で最も一般的なキャリア・案件の流れ - IT → 業務 → 戦略 に伸ばそうとしている企業(Dirbato, ノースサンド など)
- 戦略 × デジタルのクロス領域(Xspear, QUANTS) は中央寄りに配置
つまり、マップを見るだけで
「どの企業がどんな領域を狙っているか」
「どこに強みがあり、どこに進出しているのか」
が一目でわかるようにデザインされている。
■業界地図の活用方法(読者のポイント)
- 自分がやりたい領域がどこかを掘り下げてください。
- ファームの専門性を比較できます。ミスマッチ防止に役立ててください。
- 戦略志向?IT志向?総合系志向?その軸を明確に、叶えられる企業を選別することができます。
- コンサル業界全体の構造を一枚で理解できる様式です。
- どのファームがどう違うかが視覚的に把握できます。
- 就活・キャリア研究に役立つ
■まとめ:2026年は「専門性 × クロス領域」がキーワード
この業界地図から見える2026年の特徴は、
- 戦略 × デジタルの融合ファームが強くなり、この領域の新興ファームも急成長しています(Xspear, クオンツコンサル)
- ITコンサル新興系の成長も継続(Dirbato, ノースサンド等)
- 総合系はますます“巨大組織化”(アクセンチュア、BIG4等)
- 組織開発/人事領域のニーズも拡大(Mercer, WTW, GLOBIS)
- FAS / 再生領域の存在感が増す(IGPI, AlixPartners)
ぜひ、転職の際のご参考としてご覧いただけますと幸いです。

